フローリストのふたりの結婚式。
「自分たちで全ての装花を作れること」が1番優先したいことでした。
そして、長野から佐賀に嫁ぐ新婦、柚希さんは、この結婚式を通して、両親に安心してほしい、その想いも強くありました。
お花に込められたたくさんの想いが、大切なひとりひとりに届いた、そう思えた、力也さんと柚希さんの結婚式。
前日からじっくり時間をかけて、真っ白い会場を彩っていく。
同じ道を歩むフローリストの友人も一緒に、少しづつ、作られていくその時間もまたかけがえのないものでした。











力也さんが全員から、1輪ずつお花を受け取り、その場でブーケにして柚希さんに贈るシーンからスタートした結婚式。
新郎新婦がゲストのところに、ビール&長野の美味しい林檎ジュースを注ぎにいったり、ゆっくり写真を撮ったり、みんなの側で、一緒に過ごす時間を1番大切にしました。
故郷から遠く離れた場所に嫁ぐ娘の、楽しそうな姿、新郎家からの祝福と、歓迎の気持ちが込められたサプライズムービー、ふたりが沢山の努力を重ねて作った空間、新郎力也さんの言葉や、花嫁の手紙。
この結婚式を通して出会えた幾つもの光景が、柚希さんの願った通り、柚希さんのご両親や、ご家族を安心させるものになりました。


































式前の、ファミリーミートから、ふたりもご両親も、沢山泣いていました。
この日に流れる涙ってなんなんだろう。
おめでとう、ありがとう、よかったね、さみしいね、どうか幸せに、
色んな想いが溢れて涙になる。
その想いはきっとそれぞれに違うものもあるけれど、ただただ、そこには愛がある。
目に見えないものが、見えるような時間も、結婚式の価値の一つです。





そして本当に素敵だったお花たち。
鮮やかなのに、優しさを感じる彩りが、とてもふたりらしくて、ずっと眺めていたかった。そして装花の側にコロコロと添えられた長野の林檎もとっても可愛かったです。

力也さんと柚希さん、実は1度、「自分たちで装花を作る結婚式」を諦めそうになりました。なかなかスムーズに会場が見つからなくて、もう普通に結婚式場でしようかと思っています、と言われました。
でも私は、ふたりが自分たちの手で装花を作ることは、絶対に必要だと思って、諦めることができず、諦めさせたくなかった。
自分たちで装花を、それはただ表面的なことではなく、
それを作るまで、話し合ったり、時にはぶつかったり、譲ったりしながら進んでいくその過程も、
ああ、ふたりが自分たちでこの空間を作ったんだな、お花を作るお仕事を、これからもずっと一緒にして生きていくんだなって、見る人たちが思う気持ちも、深く意味があるものです。
終わったあとに、おふたりからいただいた言葉。
「あの時諦めなくて本当によかった。全てのこだわりを叶えてくれて、ありがとうございました。」
諦めなくてよかった、私もずっとその気持ちで過ごした日でした。
柔らかさのなかに強い芯がある力也さんと柚希さん。
佐賀から天神まで、何度も会場に足を運び、一緒に当日をイメージした日々、前日の準備のフローリストとしての凛々しい表情、当日の新郎新婦としての可愛い笑顔や涙、ふたりの想いの側にいられて、幸せでした。
幾つもの優しく美しい光景を見せてくれて、ありがとう。

photographer_Roots
hair make_RR Rumiko Tomoda
Place_Whask
flower_TAIRA FLOWER