「結婚式」をしたいとは思えなくて、でも、お父様の「ウエディングドレス姿は見たい」という想いに、フォトウエディングを検討していたおふたり。
でも、結婚式もした方がいいのだろうか?
そもそも、結婚式ってなんのためにするんだろう。
誰のためにするんだろう。
結婚式が終わったあと、どんな気持ちになるんだろうか。
出会ったとき、ふたりは迷いのなかにいました。
最初のカウンセリングの時、一緒にお話をした新婦ちほさんのお母様が、ぽろりと言った一言「そもそも、結婚式ってなんぞや、って思います。」
今まで、考えてきたつもりではある、原点にような問いが、私の心に深く刺さって、これからも心の真ん中に留めておく問いになりました。
結婚式ってなんだろう。
するにしても、家族5人、いつものメンバーで、何を話すんだろう。
誓う?何を?誓いたくない。
思うことをたくさん聞かせていただきました。
「結婚式」だからといって、無理に気持ちを高める必要はない
頑張って感動的なシーンを作る必要もない
伝えたいことがあるなら、言葉にしよう
旅先で少しだけ、特別な話をするような時間になればいい
会話するように、結婚式をしよう
話しながら、そんなことを思いました。
決めすぎず、その時の、1人1人の心の動きを見落とすことがないように、注意深く、心を澄ませて、築いたその日のこと。

























静かに風が通り抜けるような、美しい場所で、その時に生まれる、伝えたい言葉だけを、伝えあった時間。
「一緒に、生きていこうね」
言葉を贈り合いながら、こぼれる涙。
私も、涙が止まりませんでした。
一緒に生きていくと決めたこと、家族になる、ということ、そのことの美しさや温かさがただただ、心の真ん中に響いていました。
結婚式のあと、お嫁さまから、長く、かけがえのない言葉が詰まったお手紙をいただきました。
「憧れの場所、大好きな自然、可愛らしくて美しい花々、自分で決めたお気に入りのドレス、ケーキの味、
龍田さんの声、みんなの笑顔、涙、
夫の気持ち、自分の気持ち
特別な言葉といつも通りの言葉
一つ一つが心に刻まれ、いつ思い出しても感動がよみがえり、涙が溢れるのです。
私たち夫婦の生涯で、このような経験ができたこと。
こんなに幸せで美しい思い出を胸に生きていけることが、本当に嬉しいです。
私たちにとっての結婚式は、この気持ちを味わうためのものだったと思います。
結婚式、素晴らしく、良いものです。」
「なんだか、龍田さんそのものが、結婚式ですね。」
結婚式ってなんだろう。
お客様からの問いは、いつも私に気づきをくれます。
正しい答えはない、という前提のなかで、でも、それぞれのふたりにとっての答えを、仮定であっても、見せてさしあげるべきだと思っています。
そして、自分たちの人生に向き合った先にある、その日を一緒に見て、祝い、喜べること。
ああ、なんて幸せな仕事なんだろうと、深く深く、感じさせていただきました。
美しく温かなあの日のこと、いただいたかけがえのない言葉たちを、噛み締めて、誇りと覚悟にして、心の真ん中に掲げています。
私を見つけて、信じて託してくれて、ありがとう。

place _ mui たびと風のうつわ
photographer _ kaito wada
hair make _ hitomi wada


